DVD『地獄の風景』　～《熊野観心十界曼荼羅》仮巻装セット～

「熊野観心十界図」は、熊野比丘尼とよばれる女性宗教者が、絵を用いて民衆にわかり易く仏教の思想を教える「絵解き」に使われたものとされている。そこには地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天・声聞・緑覚・菩薩・仏の「十界」が描かれている。特に地獄の部分が大きな割合をしめているのが特徴的である。地獄界から天上界までの六つの世界は「迷いの世界」とされ、魂は生前の行いに従って、この六つの世界で生まれ変わり、(六道輪廻)を繰り返す。一方、声聞界から仏界までの四つの世界は、「悟りの世界」で、輪廻の輪から開放された仏の世界である。
NHK市民大学で好評を博した、現代「絵解き」の第一人者が、放送で不足した部分をさらに拡大充実させて完全版として新写した野心作。
さらに法話や鑑賞会をよりわかり易くするため、「熊野観心十界曼荼羅」を大判(100cm×76cm)仮巻装にて複製。その迫力が伝わる。

【内容】
1.
「熊野観心十界曼荼羅」「住吉神社祭礼図」
熊野比丘尼「那智参詣曼荼羅」「釈迦涅槃図」
夏安居 精霊棚 山川草木悉有仏性 三途の河 血の池地獄 牛王の行為
2.
仏界 菩薩界 声聞界 縁覚界 天界 人界 餓鬼道 修羅道 地獄界
畜生道 石女地獄 賽の河原 刀葉林地獄 愛欲地獄 二女地獄
暗穴地獄 寒地獄 地の池地獄 如意輪観音 血盆経 無間地獄
地獄の大釜 閻魔大王 浄玻璃鏡 業秤 奪衣婆
3.
地蔵菩薩 如意輪観音 目連尊者 盂蘭盆会の施餓鬼 源信著「往生要集」


DVD:135分収録 1枚組
栞つき

黒田日出男(くろだ・ひでお)
日本中史・近世史専攻。1943年、東京生まれ。
東京大学史料編纂所教授。
1982年に発表した「史料としての絵巻物と中世身分制」(『歴史評論』385)以来、それまで充分に歴史家が取り組んでこなかった絵巻や絵図などの「絵画史料」の読解に挑戦。新しい歴史像の構築にむけて次々と問題提起を行っている。

「熊野観心十界図(くまのかんじんじっかいず)」より

絵の上半分の半円弧には人が生まれてから死ぬまでの姿が、その下には地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天・声聞・縁覚・菩薩・仏の「十界」が描かれている。

【寸法】100cm×76cm
オフセット美術印刷
紙箱入
※絵解きを用いた新しい法話や門信徒向けの説明会にと、幅広い用途にお使いいただけます。